交通系ICカードSuicaは弁当箱サイズの大きさだった?開発四苦八苦が凄い…



今でこそ当たり前になったICカード乗車券。
電鉄各社様々なラインナップが揃い、沿線を利用するメリットを兼ね備えています。

ではICカード乗車券は、どの様にしてできたのでしょうか。

最初にできたのはSuica

日本で最初にできたICカード乗車券は’01年の『Suica(スイカ:JR東日本)』です。
モバイルスイカも含めると、令和シングル現在9000万枚以上発行され、
他の交通系ICカード会社との相互利用、ショッピングも可能です。

’01年といえば、まだ電鉄各社が磁気カードを使っていた頃。
西日本では格安カードを扱うチケッチショップが軒を連ねていました。

プロジェクト責任者は本当は車両の設計をしたかった

交通系ICカードが出来たきっかけは、1987年の国鉄分割民営化。
駅員が立つ改札から磁気式の自動改札が当たり前になり、改札の取り換えがきた時期にあわせ
交通系ICカードのプロジェクトが動き出したそうです。

JR東日本のSuicaプロジェクトを指揮したのは、工学博士の椎橋章夫氏。現在はマイナカードなどを手掛ける、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)理事長です。

『本当は車両の設計をしたかった』という椎橋氏が、実際に国鉄の配属になったのは工場。
車輛の検査、修繕が若い頃の仕事で、技術開発チームがICカードのテストをしているのをみていたそうです。

最初は弁当箱のように大きかったICカード

今でこそ名刺大の大きさの交通系ICカードは、開発当初は弁当箱大の大きさ。
試行錯誤の末に、薄くし、持ち歩けるようにし、実用化にこぎつけたものの、
社内で営業や役員会にかけて、説得しても、交通系ICカードの良さが伝わらなかったそうです。

幸いにも、国鉄時代と社員も理念も変わり、開発した技術はオープンソースにすることができました。
その為、全国の鉄道会社に交通系ICカード作りのノウハウは広まり、要といえるID管理方法も伝わったそうです。

交通系ICカードの全国相互利用は、かなりの勢いで広がっています。
カード一枚で、全国どこでも行ける時代がくるのも遠くないかもしれません。