力士の四股名入りの着物って何?作るのに100万以上かかるって本当?
幕内力士が場所入りする時に、四股名が入った着物を着ているのを見かけます。
これは染抜きと呼ばれるもので、5~9月の場所中、幕内力士が着用することを許されています。
今回は染め抜きの相場、浴衣との違いについて解説させて頂きます。
染め抜きは関取の特権
染め抜きを作ることが出来るのは、十両以上の幕内力士です。角界には夏場所前に浴衣を作り、交換しあう風習があるからです。
こちらは遠藤関の浴衣を着た霧島関。夏場所や夏の巡業では、他の力士の四股名が入った浴衣を着た力士が場所入りするのをよく見かけます。
では染め抜きを作るのに、費用はいくらぐらいかかるのでしょうか。
染め抜きの相場は100万以上
染め抜きの相場は100万円以上と言われ、振袖に相当します。夏巡業で配る時は、プリント地でもいいのではないかという親方もいる中『やはり染め抜きで』と染めに拘る親方もいるのだそうです。こちらは一時期話題になった、湊川親方(元大関・貴景勝)のジェラード・ピケの浴衣です。
染め抜きを、しつらえる呉服店は、親方もしくは、おかみさんが決めます。染め抜きをあつらえた反物が余った場合、売るのも部屋次第です。人気力士の反物は、すぐに売れます。
幕内力士の染抜きを作る時に使われる反物は、後援会の一部の方にも配られますが、配られる反物は、どの様にできるのでしょうか。
1反数1000円?何故相撲の浴衣反物安すぎるのか
関取や部屋が、後援会の一部の方に、配るのが浴衣反物です。
直径約35cm巻の三つ折りたたみ。内熨斗で包装紙梱包で後援会の方に配布されます。
一般的に、浴衣の反物は3~5万円ですが、相撲の浴衣反物は数1000円/反。安く抑えるにもほどがあります。染め抜きで仕上げるので、大量枚数プリントで仕上げると、1割は不良品になってしまうのです。
後援会は最低でも500人必要と言われているので、浴衣を任される呉服店が、どれだけの仕事をしているかわかると思います。
いかがでしょうか。力士が夏場所、夏巡業に着る浴衣には、関取以上に許された特権と、部屋のあいさつ回りなど、様々な話があるのが判ります。