レンタル元受刑者・フナイムって、どんな人?元芸人?



ルフィ広域詐欺事件の監修としてTVや動画に出演しているのが、
レンタル元受刑者こと、フナイム(43)さん。

©ytv.co.jp
’15年に特殊詐欺主犯で逮捕され、’21年に出所後、
詐欺を中心とした再犯防止のために、あえて顔出しでメディアに出ています。

元妻・子供、親族に迷惑をかけない為、本名を出さず、
自身が服役していた刑務所の称呼(しょうこ)番号・2716からフナイムというニックネームで
メディアに出ている彼は、どんな人なのでしょうか。

好奇心旺盛で、俳優志望だった

フナイムさんは、元々好奇心旺盛で周りから注目を集めるのが好きな子供だったそうです。
周りの気を惹きたいあまりに、幼い頃から大風呂敷を広げてしまうことも。

欲しいものは何としても手に入れたい性格で、
おもちゃを買ってくれないからとお祖母さんを蹴ってダダをこねたそうです。
厳しすぎるお父さんとソリが合わず、家族とうまくいかなかったからかもしれません。
小学校の頃は演劇部でしたが、お父さんに逆らえず断念したそうです。

高校3年生に家をとびだし中退、お祖母さんの家で暮らし俳優を志ながら
配送やデータ入力などのアルバイトも掛け持ちし、20歳で芸能事務所に入りました。

暮らしていくためのお金が足りず水商売をする様になり、
27歳からは、役者以外に、芸人としてライブ活動もするようになったそうです。

そんな彼が詐欺に手を染めるきっかけになったのは、どんな事でしょうか。

合法とうたってるが詐欺だった

フナイムさん23歳の時、俳優のエキストラだけでは食べて行けず、水商売の仕事も掛け持ちしていた頃、
友人に誘われたのは『融資保証金詐欺』でした。

友人の誘い口は『もっと稼げる昼のバイトがある、悪い仕事じゃないけど、営業の仕事だし、お金も稼げるし、
入ればどう?』という気軽なものだったそうです。


@twitter.com/funaim5
融資保証金詐欺は、お金を必要と必要としている人に融資をうたい、補償金を受け取るもの。
合法を名乗るが、やる側は詐欺と判っている。フナイムさんが、なかなか抜けられなかったのは以下の通りでした。

  • 身分証のコピーを取られていた
  • 反社会勢力が影を潜めていた
  • 屋形船での派手な飲み会に参加させられた
  • 飲み会では指をつめた人がいた
  • 月200万かせぐひともいたが、自分は20万だった
  • 別会社を作れば取締役にしてやると、逃げられた

冷静に考えればネズミ講なのですが、判断がつかなかった当時のフナイムさんは、数年で闇金に手をだしてしまいます。
それも性分にあわず、26歳で一旦やめました。

結婚と同時に一旦犯罪から足を洗った

フナイムさんは同棲していた恋人と結婚し、一旦詐欺から足を洗い、未公開株や転換社債の取引をしていました。
2カ月で月収が120万円を超えた時期もありましたが、株を買う相手が身内になり、32の時に辞めることに。

その後、輸入雑貨の販売を始めましたが、売上は伸びず、夢をみた暮らしは叶わなかったのです。
再び彼が詐欺の道に引きずり降ろされるきっかけとなったのは、そんな時でした。

劇場型詐欺で再び詐欺の道へ

輸入雑貨の販売が巧く行かずに困っていた時、フナイムさんは、未公開株時代のつながりで羽振りの良くなった男性に出逢いました。
その男性は劇場型詐欺で儲けていたのです。

劇場型詐欺とは、65歳以上の高齢者をターゲットに、老人ホームの入居兼を巡り複数の人物、業者を登場させるもの。
マニュアル通りに電話していくものでした。

フナイムさんは5人のグループの最初は、受け子から始め、マニュアルは手にあったが、手が震え読むことも出来なかったそうです。
初めてお金を奪った時は、こんなに怖いことをしたという自覚があったといいます。

が、手に入ったゲンナマ100万を目の当たりにした時に
『こんなに簡単にお金が入るなら仕事にしてしまえ』と思った所から、特殊詐欺逮捕への道のりが始まりました。

父と絶縁状態、妻とは離婚、自分の考えが歪んでいることが判った

’15年に特殊詐欺主犯で逮捕された当時は、金が全てで家族を幸せにするために詐欺は必要だという信じられない考えを持っていたというフナイムさん。彼の考えが変わるきっかけは、刑務所内で高卒資格を取った時でした。

ちなみに刑務所内でノートは500円というありえないボったくり価格で売られています。
刑務所の作業で得られる工賃と、物販を買いに行く時間の厳しさを考えると、勉強すら難しいのではと考えさせられる程です。

多額の金を得ても、なぜか常に心のどこかに穴があいている感覚と同時に、俳優を志していた頃や輸入雑貨の販売をしていたときは、お金がなくても、精神的な満足感があったことを思い出したそうです。

でも時は既に遅し。
実の父親からは服役2年後に『お前のことは許せない』という一通の手紙と同時に半絶縁状態。
奥さんからは服役2年過ぎから手紙の頻度がすくなくなり、結婚記念日直前に離婚を切り出されてしまったといいます。

前科は隠してもバレてしまう

前科は隠してもいつかバレてしまう。
開き直るのではなく自分自身に向き合うしかない。

出所後のフナイムさんは、間借りカレー屋『カレーハウスCOUSEI』をJR新宿駅南口に開いた。
以前、お客さんとして通っていた東京・高田馬場のカレー屋『極哩』で修業を積み、自分のカレー屋を、
相談の場にしたいと言っていたそうです。


@twitter.com/funaim5
現在は諸般の事情から、カレー屋はお休みされているそうですが、メディアへの出演はされているようです。

裁判時に被害者との間に弁済と和解が住んでいるというものの、被害者からみれば罪が許されるものではありません。
『顔も見たくない、合いたくない』と厳しい指摘を受け、存在すら許さないと罷免されたのであれば、精神的打撃を受けるかもしれません。

ドラマと大違いの刑務所のリアルを伝える人

フナイムさんが、元受刑者としてここまでメディアに出ているのは、
ドラマと大違いの刑務所の実態を事細かく、判りやすく伝えられることもありますが、

やはり’22年末から問題になっていたルフィ広域詐欺の監修を務めたことが大きいと思います。

昔も今も詐欺の手口で基本的に変わらない面があるのはターゲット層の絞り込みだそうです。
現金一括払いの高額のお買い物をする高齢の裕福な家、理工学部OBの家、貯金の多い家はターゲットにされ、名簿になるのが判ります。

それだけでなく、民放のアンケート調査を装い家族構成を聞き出そうとする強盗団の手口や家の車を見て狙う手口も、昔から変わらないと言うのです。

ただフナイムさんが逮捕された時と、ルフィ広域詐欺事件が起きた時で、大きく変わったのが、強盗の実行犯の動機だと言います。

フナイムさん曰く『実行犯は、ただ単にお金が欲しいだけ、キラキラした生活を楽して手に入れたいというのが判らない』という意見はもっともなのではないでしょうか。