退去時にトラブル!原状回復の切り札【少額訴訟】って何?



賃貸物件に住んでいる人にとっては、非常に大きな問題になってくる『原状回復費用』。

敷金を払って入居した人は、既にある程度の費用を渡しているので、敷金以上の高額な原状回復費用を要求されることは少ないですが、敷金を払わなかった人の場合は、一気に請求が来ますので非常にお金がかかります。

中でも、原状回復で一番の争点になるのが、【手入れを怠った場合の原状回復】についてです。
3d60f4302a5107661cce7dd13c894eb7_s
60万円以下の訴訟であれば少額訴訟も!

経過年数による劣化については、入居年数によって賃借人と賃貸人で負担割合が変わってきますが、手入れ不足による劣化については、これまでの判例でも賃借人に非があるとされています。

それでも原状回復費用にどうしても納得がいかない場合、最終手段として【少額訴訟】を起こすことができます。
少額訴訟は『60万円以下』の金銭の支払いを求める場合に、民事訴訟で手続きできます。
弁護士も要らず、自力で訴訟が起こせるので原状回復費用でトラブルになった場合によく利用されています。

少額訴訟は、提起から審理まで約1カ月程度かかります。
手数料は請求金額の1%程度の収入印紙で、訴状も弁護士の手を借りずとも、自力で作成可能です。


デメリットもある

ただし、少額訴訟でかかった経費を負けた側に請求する事はできませんので、ある程度のお金がかかります。
また、あまりいないとは思いますが、原則として同一原告が、同一の簡易裁判所において少額訴訟を起こせるのは年10回までです。

また、原告が少額訴訟を提起しても、被告が少額訴訟を拒んだ場合、通常の訴訟に発展する可能性もありますので、全てが少額裁判で済まされると思ったら大間違いです!

少額訴訟を通常裁判へ発展させないようにするためには、1回の審理で終了するように、自分の主張をまとめて、事前に証拠集めなどを念入りに準備しておくことが大事になってきます。

時間がかかり、複雑だと判断されると、通常裁判へ回されてしまう可能性が出てきます。
少額裁判には、十分な根回しが必要です。