よく使うけど……シュールって?
しゅーるれありすむって?
不条理なんだけどどこかおもしろい。現実にはあり得ないものが目の前にあってなぜか笑いそうになってしまう。その他いろいろ未知のものを表す言葉。「シュール」という言葉は日常語として既に市民権を得ているようですが、本来は芸術活動の派閥というかジャンルというか、そういうことを表す言葉なのです。よく使うからこそ正しい意味を知っておいて損はないですよね。という訳で、ここでは「シュール」とは何なのかについて解説していこうと思います。
「シュール」の意味
先ほども述べましたが、私たちは「シュール」という言葉をよく使います。ですが、これだけでは皆さんが思い描く「シュール」という意味にはなりません。この「シュール」はフランス語で「上」とか「上位」とかいう意味があります。ですので「あの人の作品ってシュールだよね」という文章は正式に言うと意味をなさない文章なのです。ちゃんと「シュールレアリスム」と言いましょう……ってめんどうくさいですよね。日本語の「シュール」が通じるのだからそれでいいと思うのですが、それと正しい意味を知っておくこととは別の話ですよね。
「シュールレアリスム」の意味
では肝心の「シュールレアリスム」という言葉の意味ですが「シュール」の意味が分かったので皆さん予想がつくと思います。「レアリスム」(こちらもフランス語。英語でいうとリアリズム)は「現実」という意味。前段落に書いたことと合わせて考えると、「シュールレアリスム」の意味は「超現実(主義)」となります。
そんなの知っているよ、と言う人たちの声が聞こえてきそうです。なぜならこの言葉、高校の世界史の授業などで普通に出てくる言葉だからです。そうです、ダリとかそのあたりです。しかし、意味を間違えて理解している方が少なからずいるのです。日本語訳は確かに「超現実」でいいのですが、これは幽霊やオカルトのことを表す「超自然」といった言葉とは意味が異なるのです。「超現実」は「現実離れした」という意味ではなく、「ものすごく現実を表している、現実よりも現実的」という意味なのです。つまり、時計が溶けている画だとか空が真昼で地上が夜だったりする画は、少なくとも描いた本人たちは「メチャクチャ現実的!」と思いながら描いていたはずなのです。