ホワイトビールってどんな飲み物!?



昨今のクラフトビールブームで、皆さんの周りにも、いろいろなビールが楽しめるようになっているかと思います。例えば、ビールのイベント。または、コンビニエンスストアや、いつも立ち寄るスーパーマーケットのビールコーナーの拡充ぶりは、本当にすごいです。

そんな中で、一つ取り上げたいのが、「ホワイトビール」について。

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ホワイト? 白?
と思われるかもしれません。そうなんです、白っぽいのです。

ビールの歴史をひもとくと、そもそも麦芽(大麦に水分を含ませ、発芽させたもの)を焙煎する際に、焦げ色がついて茶色いビールが大多数だったわけです。
それが、ある日、チェコのピルゼン市という土地で、澄み切った金色の真っ白な泡のピルスナービールが生まれた。
それが、今日わたしたちが一番多く見かける、大手ビールの主力製品である「ラガー・ピルスナー」という種類のビールなのです。

えーと、今回は小麦のビールについて語りたいのですが、
ドイツで「ビール純粋令」が施行されたのが今からちょうど500年前。

ビール大好きなドイツ人たちが、ビールの原料に大麦とホップと水だけを使うように、と原材料に制限をかけた。
わけのわからない材料を入れて粗悪品を作られないように、ということなのですが、もうひとつ、主食であるパンの原料である小麦を守る意味もあったのです。

小麦のビールは古くから作られていました。
ヴァイツェン、あるいはヴァイスと呼ばれるビールたちです。

この純粋令施行以降、特別に許可された修道院や貴族の経営する醸造所のみが、小麦のビールを作ることを許されました。
これは今でも綿々と作られ続けています。

小麦のグルテンは大麦よりも強いので、泡もちがしっかりしています。
ヴァイツェンのボトルから自分でグラスに注ぐと、うっかりするとあっという間に泡があふれてしまいます。ご注意あれ!

そして、よく言われるのがその芳醇なバナナの香り。
原材料が大麦・小麦の麦芽と、ホップと酵母なのに、なぜかバナナとクローブの香りが漂うのです。
酵母が麦芽の糖分を食べて、呼吸と排泄物としてアルコールや炭酸ガスを排出します。
その時に出てくるエステル臭のなかに、驚くほどの芳香が生まれてくるのです。

ヴァイスは白いという意味。ヴァイツェンはバイエルン地方の小麦麦芽の入ったビールです。

中には濃い色のものもあります。

ベルギービールにも小麦のビールはありますが、その場合、オレンジピールやコリアンダーシードなどの副原料がしっかり入っているので、ドイツの小麦のビールとは一線を画していますね。これらはベルジャンヴィットとかベルギーホワイトビールなどと呼ばれています。