ハウステンボス・外資系投資会社に売却か?
ハウステンボス(長崎県佐世保市)が、運営元のHISの業績悪化により売却の危機に立たされている。
仮に売却でなくてもハウステンボスの運営には今後、外資系投資会社が関わるかもしれないことが複数の関係者の発言で明らかになった。
ハウステンボスは2200憶を投じて作られた
ハウステンボスは、’92年に開業。
中世オランダの街並みを再現したテーマパークとして総工費2200億円をかけていた。
面積東京ディズニーランド(千葉県浦安市)の2倍。
東京ディズニーランドの総工費が開園当時(’83年)に1683億円だったこともあり、
巨額の投資と敷地面積はバブル全盛期に企画されたテーマパークとはいえ
運営手腕は問題視されていた。
’96年に入場者数がピークを迎えるとその後は激減。
’00年にはメインバンクの日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)が合併。
不安を感じた融資先が一気に返済を迫ったために、日興銀だけでなく十六銀行など都市銀行も
煽りを喰らってしまった。
日興銀が多額の債権放棄に応じたのも効果なく、ハウステンボスは’03年に会社更生法を適応。
一度は経営破綻した身だった。
ハウステンボスに3度目の正直なるか
’03年に会社更生法を適応された後、ハウステンボスは野村ホールディングスの傘下に入り、
他のテーマパークと同じように韓国や中国人観光客を積極的に受け入れることで生き残りを図ろうとした。
しかしそれも’08年のリーマンショックと共に観光客が激減し、’10年に
野村ホールディングスは経営から手を引くことに。
次に手を差し伸べたのがHISの澤田氏だった。
澤田氏は最初乗り気でなかった上に、経営に何も口出しはしないつもりだったが、
財界人から頼まれてのことだったという。
金融機関と交渉し当時残っていた60億円の債務の8割の債権放棄を受け、
残債務も九州財界から出資金で弁済し、債務ゼロの状態で経営を開始。
ハウステンボスの敷地の3分の1を手放すリストラ策も打ち出し抜本的改革を行った。
’19年新型コロナ禍前の入場者数は254万人。
長崎が進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)の候補地となっているテーマパーク。
何故今になり買収の話が持ち上がったのか。
過去にも出資の話はあった
ハウステンボスに対する外資系企業の出資は、’22年にはじまったことではない。
’18年には>中国の投資グループ『復星集団』による出資話が持ち上がったが、立ち消えになっている。
’22年に持ち上がった香港の投資会社の出資、買収の話も、相手方の出方次第では、立ち消えになる可能性もあるかもしれない。