障碍者やろ?170cmない男性は…プロゲーマーの発言は何故炎上する?



’19年から国体の種目となり五輪種目として認定されることが期待されるe-sports。


しかしプロゲーマーの失言炎上及び、人気ゲーマーの資格停止問題が業界に波紋を広げています。

現役プロゲーマーの失言発言炎上?

日本では’22年5月、プロゲーマーのSaRa(20)が他選手のゲーム配信中に、
『なんでそこでクリアリングすんの? 障害者やろマジで』と失言。


翌日に所属事務所が12月末までの活動停止処分を発表しました。
リアルタイムでゲームを視聴していたコアなマニアの反応は賛否両論ですが、GW終了を待たずしてSNS上で炎上。
e-sports業界を詳しくしらない人たちまでヘイトの嵐に巻き込む騒動になったのです。

’22年2月には、女性プロゲーマーのたぬかなが『(身長が)170センチない方は『俺って人権ないんだ』って思いながら、生きていってください』と失言し、所属チームを解雇される炎上騒動が置きました。


©twitter.com/ggpleasehelp
世界大会に出場する高額プレーヤーや、日本で数少ない女子プレーヤーの失言だったこともあり、
本来であれば注目されないはずの失言が炎上騒動を引き起こした結果となりました。

では炎上騒動を引き起こした2人のプロフィールは、どのようなものでしょうか。

SaRaと、たぬかなのプロフィールは?

SaRaのプロフィールは以下の通りです。

  • 本名:鈴木健斗
  • 生年月日:2001年11月1日
  • 出身地:長野県
  • 身長:177㎝
  • 所属チーム:REJECT
  • 趣味:フットサル、音楽鑑賞
  • 口癖:すいやせぁん

驚くべきことにゲーム歴が浅く、負けず嫌いな性格とフットサルで鍛えた反射神経と集中力を活かし
ネットで出逢った人たちとチームを作り頭角を現しました。
’18年に結成されたREJECTの代表である甲山氏にヘッドハントされ、PUBG MOBILEチームリーダーに抜擢され、国内大会ではトップ。世界大会では上位にランクインしてきたのです。

一方、たぬかなのプロフィールは以下の通りです。

  • 本名 :谷佳奈
  • 生年月日: 1992年11月21日
  • 出身地 徳島市
  • 最終学歴: 徳島県徳島科学技術高校卒
  • 所属:CYCLOPS athlete gaming (2016年11月〜2022年2月17日)

この他にも、現役中はeo光(イオ光)、Alinewara(エイリアンウェア)、SHIDO、
Joshin eSPORTS(上新電機株式会社)、ルネサンス高等学校がスポンサーに付いていました。

では何故e-sports業界では失言がこれほど早くとりあげられ大事になるのでしょうか。

e-sports業界には、なんちゃってプロもいる

何かのプロフェッショナルであり人様からお金を頂く職業であるならば、
不快にする言動を取らないことは、eスポーツに限らず当たり前のマナー

という意識がe-sportsに限らずプロ、アマの線引きが難しい職業全般にかけていると
業界では指摘しています。


©twitter.com/ouka_miko39

その道のプロ選手ならば選手登録が必要な場合が大半ですが、e-sportsは、
東京のトップリーグで戦い、毎年一定額の勝利を収めればプロなのか、それとも

1円でも稼げればプロなのか線引きがされていません。
e-sports業界の年収平均は450万~500万で、SaRaや、たぬかなのように
1000万超えるゲーマーは、トップクラスです。

7割方が高学歴で、親にゲーム仕様のパソコンを買ってもらいゲームを始めたプロゲーマーも珍しくありません。
たぬかなの様に、高校卒業後は設計士として建築系の企業に勤務し、アパレルの仕事についてからゲーマーになる例は稀です。

アマチュアにもプロ顔負けの実力をもつ人はいますし、それはコアな視聴者はよく判っています。
ただ今回の一件で問題視されているのは、そこではないのです。

相撲力士ぐらい厳しい世界が求められる

e-sportsは、普段と同じ環境で同じメンバーで趣味のプレイでも大会でも戦うことになります。

野球で選手が審判に暴言を吐き乱闘になるシーンがTVで放映されていても誰も何も言わないのに、
何故e-sportsは、お咎めを喰らわなければいけないのかという意見も判ります。
野球は全世界に配信されているのではなく乱闘になったとしても、TVで意図的に配信されないこともあるからです。

しかしe-sportsは配信され、全く関係のない人にまがった形でニュースが伝わってしまう。
しかも選手のピーク年齢が15~25歳と、人格形跡期であることも問題となっています。

巨額の金額という看板を背負っている以上、スポンサーが厳しい処分を下すのは当たり前です。
相撲力士が新型コロナのガイドラインに違反して、たやすく引退はさせず序の口まで落とされる理由と同じです。
本当にその業界に貢献し、よくしようと思うなら給料がもらえる十両まで故障せず自己責任かつ無休で相撲を取れという意味です。

結局は観る側にも求められるモラルもある

今回の失言騒動が起こったのは、観る側のモラルが問われたのもあります。

プロゲーマーの個人配信を見るのはコアなファンです。
プロリーグのPMJLは同時接続数が約5000人で、個人配信かつ人気選手のものでも300人ほどです。

多少の失言、暴言は『ああはじまったな~』と流すというのです。
視聴者からクレームが来るのはカメラが大事なシーンを映してない、アングルが酷い、悪いなどの理由が大半。

ダニエル・ラトクリフの映画で『ガンズ・アキンボ』という映画があります。
世界的に有名になったリアルデスゲームに暴言コメントを書きまくったプログラマーの主人公がデスゲームに参加させられるという話ですが、ラトクリフ演じる主人公は、自分が殺されそうになる姿を配信するゲーム会社ではなく
『こんな自分をみて笑っている視聴者がクソだ』とテレビカメラに向かって叫ぶのです。

これは観る側にもモラルが感じられるのでないでしょうか。