○○ホールディングスってどんな会社?メリットは何?
ここ数年耳にするのが『○○ホールディングス』という社名です。’22年にはパナソニックもHD(ホールディングス)化すると同社プレスから発表がありました。
ホールディングス化のメリット及び、ホールディングスとは何でしょうか。
ホールディングス=持ち株会社
ホールディングスは持ち株会社の事です。
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上の図の様に、親会社がトップにあり実際の業務は子会社が行うしくみになっているのがホールディングスです。
社名も『○○ホールディングス』と名乗るものもあれば単純に『○○グループ』と名付ける会社もあり、金融系では『○○フィナンシャルグループ』と名付けられています。
国内の上場企業は3800社ありますが、その内の13%にあたる500社以上がホールディングスです。ではいつごろから企業のホールディングス化が進んだのでしょうか。
持ち株会社化が進んだのは’97年から
日本企業がホールディングスを作れるようになったのは歴史が浅く、’97年の独禁法改正からです。
バブル崩壊の煽りで企業が国際競争力を失う中『持ち株会社が法律で禁止されたままではだめだ』ということで法律が改正されました。
戦前にも持ち株会社はありましたが、三菱や住友など財閥系が9割を占めていた為、GHQ(連合国軍総司令部)により解体を命じられた背景があり長々と持ち株会社は敬遠されていたのです。
持ち株会社のメリットは事業のスピードが速くなる
持ち株会社のメリットは以下の通りです
- 意思決定が各会社ごとなので、人材育成がしやすい
- 本社の決定を仰ぐ必要がないので、組織の活性化につながる
- M&Aが迅速に進みやすい
では反対に持ち株会社のデメリットはどんな事でしょうか。
持ち株会社のデメリットはコストがかさむ事
持ち株会社のデメリットは以下の通りになります。
- 子会社同士の連携がとりにくい(何千社も子会社がある場合)
- 赤字の子会社があると信用問題につながる
- 子会社を沢山持つことで法人維持コストがかさむ
実際の業務を子会社が行う事で、独立採算と意思決定を行えますが、その裏にはリスクもつきものなのです。’97年の独禁法改正時に、ありとあらゆる企業がホールディングス化に乗り出し、M&Aを繰り返しましたが失敗に終わった企業もありました。
ホールディングス第一号はダイエー
日本の企業にホールディングスが向いているかと言われると、一括りにはできません。
欧米流の白黒はっきりとした考えやコストカット、実力主義を日本の社会に持ち込むのは性急すぎると思います。持ち株会社を復活させた本来の目的は、世界との競争力を日本企業がつけるためです。
ホールディングス化の第一号はダイエーですが、イオンをはじめとした大型スーパー、映画館事業など、独禁法改正から24年、並ならぬ競争力を付けた成功例ではないでしょうか。