人は自分の言葉のみ信じる



カウンセリングの世界では傾聴という言葉がよく耳にします。人の話に耳を傾け、共感するというわけです。それは、クライアントの悩みや相談内容の話を聴いて同調するということでもあります。

実際にカウンセラーはこの傾聴をひとつの技術、技法として捉え、時にひたすら傾聴を続けるということを続けます。なぜ、そんな一見聴くだけの単純な作業で一体どんな効果があるというのでしょうか?

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実は、人というのは話をすることではじめて心が浄化されていく、心に秘めた思いを口にすることで気持ちが楽になりやがて気づき、次第に前向きな気持ちに変化していくという一連の流れを、傾聴という技法で導いているのです。

傾聴の技法というのは単純に聞くだけというわけではありません。具体的で細心な心配りを要し、クライアントが話をしやすい、語りやすい、聞いてくれるという安心感が必要になりわけです。

そうまでして話をしていただくことの意味がどれほどあるのかということを理解する必要があります。

それは、人は自分の言葉でしか信用をしていない、自分の言葉でこそ理解し納得して判断し、そして行動に移すというわけです。

この人間の心理をよく理解した対人関係は、いろいろな場面で自然でとても魅力的な効果を発揮します。

上司が部下を説得し納得させるために力説をしたところで部下は動かない、反発するだけです。部下の話を聴いていないから当然です。

営業の場面でお客様に提案を聞いて頂き、商品やサービス、あるいは契約を得るという場面でも、どれほどの商品やサービスを力説したところでお客様は納得しない、それを受け入れようとはしないということです。

それは人間の心理なのです。

まず、人の話を警戒して聞くという行動を避けようとするところからスタートするということ。コミュニケーションなくては前に進まないということになります。

心を開き、こちらの話を聞いて頂き、考えて検討して頂くためには、まず相手、つまりはお客様自身の口から、お客様の言葉で口にして頂くことが必要不可欠ということになります。

お客様は自分自身の言葉でその商品やサービスのことを語りだす、いい悪いは別にして。そのお話しをして頂くよう導くことこそ営業パーソンの上司の、夫もそうそう妻の話を聴くということですね、物事はここから始まるというわけです。

この心理を理解している人は上手に相手の話に耳を傾け、相手に話をして頂く環境を瞬時に整える姿勢を持っています。

何事も人間関係が物事を動かす。

自分と相手の狭くて小さな人間関係は、相手の話に耳を傾けること、お相手の方に話して頂くことでコミュニケーションが生まれ、すべてはここから物事は動くということ。

単純でも奥が深く、これを意識して使わない手はないようです。