スリランカ破綻!ジンバブエでさえ破綻しないのに何故?
’22年7月5日、スリランカ共和国のウィクラマシンハ首相が、議会で国の破産を宣言しました。スリランカは歴代首相、大統領の怠慢な財政方針が問題視され、債務返済に400年かかるというのです。
長年独裁者が政権を握って国をだめにした点は、ハイパーインフレで通貨を放棄した後もインフレが続き経済不安定となっているジンバブエと似ています。
スリランカが破綻した原因は何だったのでしょうか。
スリランカ共和国が破綻する原因は長年の独裁
スリランカ共和国が破綻の一路を辿った理由として挙げられるのは’05年から続く独裁です。
スリランカの人種は7割が仏教徒のシンハラ人、2割は前から住んでいたイスラム人のタミール人と言われています。
スリランカが英国領セイロンから独立した後に対立が激化しました。タミール人への進学差別など議会での人種差別問題が取り上げられ、’83年~’09年にかけて内戦がおこったのです。
内戦を終結させた功績を武器にして大統領選にのぞんだのが、ラージャナパクサ兄弟です。
彼ら兄弟と親戚縁者が政治要職に就くようになってから、スリランカの最大支援国はインドだったのが中国にとって代わられました。
これが国の債権が膨らむ間接的要因になったといわれています。
スリランカと日本の関係は?
スリランカと日本の関係は戦前に遡ります。
第二次世界大戦中は英国の支配下にあったスリランカでした旧セイロン時代は、昭和天皇が皇太子時代に訪問したのがはじまりです。
戦後の国交回復は岸元首相からで、その後、細川元首相,安倍元首相もスリランカを訪問しています。
歴代首相、天皇がスリランカを訪問する理由は以下の通りです。
- 日本は、スリランカにとって中国、インドにつぐ3位の経済援助国
- スリランカから見ると輸入第3位、輸出第10位の取引国
- 日本への主要輸出品目は紅茶、衣類、魚介類(まぐろ、えび等)、植物性原材料、宝石
- 日本からの主要輸出品目は自動車、一般機械、電気機器、繊維製品、プラスチック
セイロン紅茶といわれるので、スリランカ=紅茶の産地と言われる所以はわかりますね。
まぐろやエビは意外かもしれません。いずれにしても日本は日用品、衣食でスリランカに深くかかわっていることが判ります。
それに対しスリランカに深い債券を負わせた中国は不動産開発で傷を負わせていることが判ります。
ではスリランカが破綻に追い込まれた決定打は何だったのでしょうか。
新型コロナのために外貨を稼げなくなった
スリランカが破綻した原因は債権を外貨で稼ごうとした甘い考えです。内需で稼げればよかったのですか観光に頼ろうとした甘い目論見が災いしました。新型コロナの流行により観光業界がひっ迫し、力を入れていた投資していた観光業界が大打撃をうけたのです。
’22年4月に510億ドル(約7兆474億円)の対外債務不履行に陥って以降、各地で抗議デモが広がり、7月には大統領が国外逃亡。
死人がでる暑さの中、1日10時間停電で物流が滞る国民はガソリンを買うにも、買えない状態が続くと言います。
ハイパーインフレが続いてもジンバブエが破綻しないのに、スリランカが破綻した理由はまだ判りません。
日本経済への影響がでないかどうかが不安ですね。