高級食パン店ブーム下降?問題は味に見合わない価格?



高級食パン店が東京五輪から2年後を境にブームが下降しています。
リーマンショックを境に2斤700円~1000円の高級食パンが売れるようになりましたが、ブームに陰り見えた原因は何でしょうか。

元々は味を追求していた高級食パン

高級食パンの先駆けは以下の2件パン屋さんとされています。

  • 乃が美
  • セントルザベーカリー

セントルベーカリーはVIRONが親会社ですし、乃が美は創業者の方が交流のあった高齢者の為に作られたのが、きっかけだったそうです。

この2件の食パンが成功し、’13年にはコンビニのセブンイイレブンが『金の食パン』を発売。
高匠、嵜本、成り松、一本堂など食パン専門店の地位が確立出来ました。この辺りまでは商品開発にパン作りのノウハウを知り尽くした人たちが付いていたのが判ります。

現在も成り立っています。

ベーカリープロデューサーが出てきた所からおかしくなった?

高級食パン店が乱立しはじめたのは、ベーカリープロデューサーの岸本拓也さんのお店が出始めてからです。
『考えた人すごいわ』『偉大なる発明』など高級食パンの店と思えない店名と店構えで一時期話題になりました。


©twitter.com/ckmmami
同じ時期に『俺のBakely』が話題になり、堀江氏が冷凍生地を使ったカレーパンの店『小麦の奴隷』のフランチャイズをはじめ『未経験者でもパン屋が出来る』と業界に乗り出しました。


@twitter.com/Bagooooon
ですが消費者はシビアです。
ベーカリープロデューサー方式の開店では開業時にお金がかかることが消費者に露見し、味がそれに伴わないこともあり、買い手が離れていったのです。

パン激戦区で高級食パンが負ける理由は?

筆者の住んでいる所には乃が美が駅前にあるだけです。過去には一本堂をはじめとした高級食パンの店やフランチャイズのパン屋が出店しましたが、撤退しています。


©twitter.com/agawataiju
それは高級食パンと焼きたてパン屋の製法や原材料の違いにあります。

高級食パンは、一概に言えませんが甘いものはストレート法と呼ばれる短時間で発酵時間が済む製法で作っています。原材料に生クリームやハチミツを練りこんで生地に甘さを加えていることが特徴です。

筆者の住んでいる所はパン屋激戦区で、市内に個人事業主のパン屋が5件あり、それぞれがパンにより生地や発酵方法を使い分けて焼いているのです。毎日800円で翌日に味が落ちるパンを買うよりは、1斤230円で、そのままでも翌日焼いても美味しいパンを買う方がよいのは言うまでもありません。

高級食パンブームの陰りのまとめと理由

いかがでしたでしょうか。
高級食パンブームに陰りが見えた理由をまとめると以下の通りになります。

  • 価格と価値が見合わない
  • 御使い物に高級食パンがあうとは限らない
  • 奇をてらった店名ブームが終わった
  • 店が乱立していてどこで買えばいいか判らない
  • 焼きたてパンの店の方が正直美味しい

御使い物ものの一種として考えられてきた高級食パンですが、もし高級食パンを選ぶのだとすれば地元産の小麦を使ったものなど、フードマイレージに拘ったものなら良いのかもしれませんね。